Credit card payment at the store

オーストラリアのカードサーチャ―ジの仕組みを解説、ワーホリ社会経済の知識

Credit card payment at the store

オーストラリアでは、日本には存在しない「カードサーチャージ」の課金というクレジットカードの仕組みがあります。

旅行や留学・ワーキングホリデーでオーストラリアへ渡航する人は、確実に身につけてほしいお金の知識です。

英文もつけたので、英語を学んでいる人は読んでみてね。

オーストラリア、カードサーチャ―ジの仕組み

前提として、この社会知識はとても複雑です。本質を抑えることで知識は徐々に繋がり、ワーホリ生活の経験と合わせることで、最終的にきちんと理解できるようになるよ。

経験と知識とは、そういうものです。

カードサーチャ―ジとは?

オーストラリアで、商品やサービスをカードで支払う際に発生する数パーセントの手数料を「Card Surcharge」 と言います。

カード加盟店は本来、「加盟店手数料」というカード利用にかかる経費を負担しています。この手数料の一部を客にも負担してもらうという仕組み、そのものをカードサーチャージと言います。

日本ではこれを「チャージオン」といい、店が客側に「加盟店手数料」を請求することは禁止されています。オーストラリアも以前は禁止されていたよ。

2003年、オーストラリアでは他国に先駆けて、カードサーチャ―ジの導入を始めました。つまりこの国で、カードサーチャージは合法なのです。

In 2003, the Reserve Bank began implementing reforms to the debit and credit card systems in Australia. As part of these reforms, a number of restrictions that had been placed on merchants by the international card schemes were removed. 

Reserve Bank of Australia

中央銀行である Reserve Bank of Australia  が、この制度を導入しています。

英語「surcharge」の概念

名詞:追加料金を意味する。
動詞:追加料金を徴収・課金すること。

「surcharge」は、サービスの手数料という意味合いで幅広く使われる言葉なので、シチュエーションにより柔軟に理解する必要があるよ。「service fee」と言い換えることも。

ACCCの定義では、以下のようになる。

An amount or percentage that a business adds to the standard price of a product or service.

Examples are:

  • card surcharges for paying by card
  • price displays charged by some cafes and restaurants.
Card surcharges – ACCC

商品やサービスの値段に+αで追加される料金を意味する。オーストラリアにチップ制度はないものの、「surcharge」という概念はあることを頭に入れておいてね。

なぜカードサーチャージを支払う必要があるのか?

オーストラリアがカードサーチャージを導入した理由は、主に二つある。

  1. 高級カードを利用する消費者にそれを自己負担させるため。
  2. 高級カードを利用する消費者と、他の支払い方法を利用する消費者の不公平を軽減するため。

※高級カードとは、一部の富裕層が利用するクレジットカードのこと。ハイステータスカード・ラグジュアリーカードなどと言われる。

本質として、クレジットカードの仕組みは:

  • 店側が、高級カードの高い加盟店手数料を負担している。
  • 加盟店手数料が膨らむほど、店は商品の値段を上げざるおえなくなる。すると間接的に他の消費者も高級カードのポイントを負担させられている状態になる。

高級カードの加盟店手数料は割高になっているが、カード利用者は一円も払う必要がないので、すべて店の負担になってしまう。これがクレカの不平等な現実です。

ゴールドやプラチナカードはカッコいいみたいな風潮があるが、それはおかしい。これらのカードを持っている人は、みんなからお金を巻き上げているというのが現実だよ。本来は憎まれるべきカードであって、崇拝すべきカードではない。デストピアだね~。

導入の目的は以下に記載があります。

Merchants incur costs when they accept a payment from a customer. Different payment methods can have very different costs. Cards that provide significant rewards to consumers are typically more expensive for merchants.

Reserve Bank of Australia

When merchants have the right to apply a surcharge to more expensive payment methods they are able to provide price signals that encourage consumers to use payment methods that are less expensive. By helping to hold down payment costs, the right to surcharge helps to hold down the price of goods and services charged to all consumers. It also reduces the extent to which those who pay with cheaper payment methods are subsidising those consumers – typically from higher income households – who use more expensive payment methods.

Reserve Bank of Australia

オーストラリアでは、高級カードを利用する人はその高いサーチャージも自分で負担しなくてはいけない。というのが筋書だが、現実はそんなに単純ではないね。

過剰サーチャージについて理解しよう

オーストラリアで2003年に導入されたカードサーチャージ、消費者の負担は莫大な金額になった。規制が不十分だったことにより、ビジネス側は客に過剰チャージすることが問題に。

そう、サーチャージは、消費者にとってわかりにくいシステムの極みなのです。だから日本をはじめ多くの国では禁止されている。

2017年オーストラリアでは、過剰サーチャージを規制する制度ができた。これを「Ban on excessive payment surcharges」という。規制するの遅ッ‼ 

これは「cost of acceptance」を、越えた額のチャージを禁止するというもの。要するに、実際にかかる経費以上の額を客にチャージしてはいけないという決まりです。

この規制は、Australian Competition and Consumer Commision(ACCC)が管轄している。

この過剰チャージ規制は、適応されるカードとそうでないカードがあります。

過剰チャージが規制されている支払い方法

  • Eftpos: debit and prepaid
  • MasterCard: credit, debit and prepaid
  • Visa: credit, debit and prepaid.

引用元:Ban on excessive payment surcharges – ACCC

これらの支払い方法に関しては、店側がACCCの規制を無視して過剰チャージをした場合、違反となります。

カードサーチャ―ジの割合とは?カード利用者はいくら払う?

チャージ額の設定は複雑なので、消費者が深く理解する必要はない。以下を基準に理解すると良いよ。

一般的なカードサーチャ―ジの割合

  • Eftpos: less than 0.5%
  • Visa and Mastercard debit: between 0.5% and 1%
  • Visa and Mastercard credit: between 1% and 1.5%.

これは ACCCによる平均的なサーチャージの割合です。

規則ができてから過剰チャージは減っているようだが、支払い方法によりチャージ料は異なるので、この割合を基準にサーチャ―ジ料をチェックすると安心だね。

EFTPOSという機械を利用した場合も、サーチャージの対象となります。デビットカードもチャージの対象だが、クレジットより割合が低いのが一般的です。

大きな買い物をする時は要注意だね。所得の低いワーホリや永住する人には、大きな問題かもしれない。

パーセントチャージとフラットチャージを理解しよう

店やビジネスは、以下二つの方法でサーチャージ料を設定することができます。

  1. Percentage surcharge
  2. Flat fee surcharge(一律チャージ)

1は、カードの種類や総額に応じてチャージ率が変化します。消費者にとって、公平になりやすい設定方法です。

2は、カードの種類や総額に関係なく、一律の額で設定するというもの。

Image by ACCC

例えば、全ての支払いに対し50セントのサーチャージが設定されている場合。$4のコーヒーの支払いは$4.5となり、12.5%のサーチャージ率となる。これはあきらかに過剰サーチャージとなり規定違反だね。

ACCCによると、フラットチャージの場合は、一番低い率に合わせる決まりがあるので、上記の一般的なチャージ割合を大幅に越えている場合は、過剰チャージとなります。

規制以前は、これコーヒーショップのあるあるの現象だったみたい。毎日飲むラテに、10%越えのチャージ料は恐ろしい。

過剰チャージの規制がない支払い方法

以下は、従来通り規制されていない支払い法です。

  • BPAY
  • PayPal
  • Diners Club
  • American Express cards issued directly by American Express
  • taxi fares, whatever the payment type.

詳細:Ban on excessive payment surcharges – ACCC

BPAY や PayPal を、チャージするかは店によるのでチェックしてください。

高級カードと言われる Diners Club やAmerican Express は、そもそもサーチャージの根源となるカードなので、高いチャージ料になっていると思います。嫌ならこのカードを使わなければいいだけのこと。

タクシー料金は、別の法律や規制が適応されますので、かなりの額のサーチャージが運賃に上乗せされる可能性があります。観光する人などはご注意を。

カードで払ってもサーチャージされない場合があるのはなぜ?

オーストラリアのカードサーチャージは、店側が請求するかしないかを選択できる

「加盟店手数料」は、カード会社や銀行等が店側に請求する経費のこと。これを消費者に負担してもらってもいいですよ。というのがサーチャージの原則です。ややこしいね。

ただしこれを客にチャージしたところで、店側はもっと経費を払っているので、結局おいしい思いをするのは、銀行とカード会社なのです。そこを身をとしてはいけない。

もちろん消費者側に支払い方法を選択する自由があることが原則なので、サーチャ―ジが不透明な料金システムを採用している店やビジネスはアウトです。

カードサーチャージを払わなくて済む方法とは?

基本的には、支払いをする前に「surcharge notice」を確認するクセをつけてくださいね。チェック基準は、上記で説明しました。

カードサーチャージは、消費者にとって不透明で複雑なシステム。企業や店側は、この不透明さを利用し消費者を欺く可能性があると理解してください。

サーチャージを少なく済ます方法:

  • デビットを利用する(クレジットよりもチャージ率が低い)
  • キャッシュを利用する(ATM手数料の方が高くつく場合は注意)
  • ポイント還元率の高い高級カードの利用は避ける
  • サーチャージを課金しない店を利用する

Finder という記事にさらなる詳細があるので、気になる人はどうぞ。

ワーホリする人は、カードサーチャージで英語学習

違うコンテクストで同じ内容を学ぶことで、記憶と知識が強化されます。以下は、今回参考にした参考元です。自分の英語と社会知識レベルに合わせて、気になるものだけを読んでみてね。少しだけ難しいところを狙うのが、学習のコツだよ。

論理的思考を育てる方法は、情報元が何の目的でそれを発信しているのかを理解することだね。

Reserve Bank of Australia (中央銀行公式サイト、文章が難しい)

Australian Competition and Consumer Commision (ACCC公式サイト、誰でも読みやすい)

ニュース・ブログサイト

知識をつけた後は、必ずワーホリ生活で使ってください!

知識は自分の経験と繋げることで脳に定着します。つまり、机の上の勉強+ワーホリ経験で強化されるのだよ。

ここで学んだ知識や英語は、ワーホリ生活中に意識して使おう。これくらいやらないと、英語も経験も身になりません。

方法としては、仕事先でカードサーチャージの知識をボスやマネージャーとの話のネタにすること。カタコトでも全然OK。言語ができないことが理由で外国人をぞんざいに扱う人は、差別的な人だという証拠です。もし日本人がボスであれば、社会ネタとして会話に盛り込んでね。

これは、知識と経験を利用した記憶術です。ぜひやってみてね。

記事はここまで。最後まで読んでくれた人、おつかれさま〜。

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