【バカホリ脱却】英語の小説を一冊読み切るのに半年もかかった結果、日本語の読書力まで向上してしまった話
こんにちは。 のまどちゃんです。
英語で本が読めるようになると単語力が上がる。→✖
英語ばかり学んでいると日本語力が落ちる。→✖
正しくは、英語で小説を読み切ると、語彙力の向上なんてのは当たり前田のクラッカー。それどころか、日本語の読書力まで劇的に向上してしまう!
今回は、日本語でなく、第2言語である英語で本を読むからこそ、読書力が向上する理由を解説するよ。もちろん高卒レベルの英語力でOK。肝心なのは、最後まで読みきること!
英語で人生変えたい人、新しいことに挑戦したい人、是非この記事を読んでほしい。
【バカホリ卒業】英語の小説を一冊読み切るのに半年もかかった結果、日本語の読書力まで向上してしまった話
“Mmm, how can I improve my vocabulary?”
オーストラリアで1年バカホリ生活を満喫して、ドイツワーホリで緩~く英会話を楽しみ、カナダで本気で英語に向き合ったとき、友人の答えは至ってシンプルだった。
“You need to read a book. “
“Oh…OK.”
そして、人生初の英語小説『NATIVE SPEAKER』に挑戦することになる。
ちなみにこの本を選んだ理由は、うん、たまたまシェアハウスの本棚にあったから。人生初の英語小説をいったい何にしようか、やはり名作を読むべきだろうか、なんて吟味してもしょうがない、ど~せろくに読めやしないんだから。
そして人生初の英語小説をなんとか読破したものの、なんと半年もかかってしまったのだ。
ただし、このたった一冊の英語小説が、私の人生を劇的に変えたと言っても過言ではない。英語が上達するとか、そういう小さな次元を超える結果がでたからだ。
“‘I totally became a bookworm!”
“Seems like that. Good for you.”
アドバイスをくれた友人に報告すると「よかったね」の一言。シンプルかつ、明確なアドバイスをくれた友人には感謝をしなくてはいけない。友人の助言どおり、英語の小説を一冊読み切った自分は、大の読書好きになってしまった。単語力がどうとか、もうそういう次元ではない。
“I wanna move on to the next book right away. Reading books is so fun!!”
読書がニガテで日本語の小説ですら読み切ることができなかった自分
もともと日本語の小説を読み切ることすら困難で、特に細かい内容をくどくど説明してくる小説というジャンルは厄介だと思っていた。
「いったい筆者は何が言いたいねん、説明長いわ!」となる。忍耐力ゼロだ。物語を読む能力、文章を読み解く力がまったくなかった。そりゃ国語で赤点とるわ!
ではなぜ、第2言語である英語の小説が私の読書力そのものを向上させたのか?
その理由は、英語がわからなすぎたおかげで、時間をかけて注意深く文章を読むという体験をしたからだ。
英語の小説を数ページ読むのに2時間もかかっていた
読み始めたころはこうだった。
わからない英単語を一つ一つ調べながら、内容を理解するために同じパラグラフを何度も何度も繰り返し読んだ。ふと時計を見ると、数ページで2時間がたっていた。すると言うまでもなく精神がやられてくる。
「2時間て、映画一本見れたやん。ペラペラ~っとめくりたい。横から見た時のあの紙の厚みを感じて、読んだよ~という実感を味わいたい。いやいや、この本を読破するのにいったい何十年かかるんや、、、。」
心はいとも簡単に折れる。たった349ページの本一冊で、絶望・自信喪失・時間を失った感・肩こり・疲労・目の疲れなど、精神的・肉体的苦痛を味わい、「英語小説を読みきる」なんて試みは、一旦無かったことにしてみる。逃げるのだ。
そして数週間後。
「ああ、そういえばあの本、ちょっと読んでみっかな~。」
そしてまた心がポキポキ折れる。
本気で読む。心が折れる。逃げる。また本気で読む。逃げる。これを繰り返すうちに、気がつけば2時間で10ページほど読めるようになっていた。そして半年後には、最後の章を読んでいる自分がいた。
「読めたじゃないか。半年もかかったけど、人生初の英語小説を読破したじゃないか。しかも自力やで!しかも小説って以外とおもしろい。本ってこうやってじっくりと読むものなんや。」
一冊の英語小説を通して、人生で始めて、本当の本の読み方を習得した瞬間だった。
英語小説を読み切る事で、本当の読書力が身につく
何度も言うが、英語の本で読書力があがった理由は、めちゃめちゃじっくり文章を読んだから。
英語の理解に苦しんだおかげで、文章を深く読むという小学校以来の体験をした。本の正しい読み方を身に着けずに大人になってしまった私。日本語で読む際に何の注意も払わず、ただ文字を追っていただなのだと気づいた。
読めない漢字なんかどんどんスルーするし、知らない単語なんかテキトーにやり過ごしていた。それでも本の筋はだいたい理解できてしまうからだ。
筆者の意図や狙いも、キャラクターのバックグラウンドも、時代背景も、文化も歴史も気に留めず、ただドラマや結末を期待して読んでいた。読み手(Reader)としての、自分自身の読書力が低かったということ。
英語小説で深く文章を読む力を習得した私は、良い読み手として生まれ変った。
英語で小説を読むからこそ身につく3つの読書力【良い読み手になる】
英語で読んでいるにも関わらず、読書に必要な3つの力が養われた。
- 想像力と考える力
- わからないことを調べる力
- 忍耐力と集中力
正直なところ、これ以外にも様々なの能力が向上するけど、3つに絞って紹介する。
①想像力と考える力
英語で本を読むと、難解な謎解きをしているのと同じくらい、神経をすり減らしながら文章を読む必要がある。
知らない単語を調べながらまず1ページ読んで、意味不明なのでもう一度、一文ずつじっくり読んで、さらに文節の区切りをいろいろ変えて読んでみたり、いくつかある単語の意味をとっかえひっかえしてしてみたり。それでも意味不明なときは、全体を何気なくさら~と読むと、突然状況が見えてきたりする。煮え切ってきたら、頭を冷やして次の日に読むと、突然わかるなんてこともあった。
いくら文法ができたところで、英語試験で良い点がとれたところで、この考える力が無ければ、目の前の情報を正しく読み取る、理解することはできないと感じる。
なぜなら言語というのは、文章の前後関係(context)や、含み、ニュアンス(implication)、時代背景や文化などのさまざまな要因で、まったく意味合いが変化してしまうから。日本語でも英語でも、文字通りに読むだけでは、その文章を理解できないことも多い。
②わからないことを調べる力
国語の授業で国語辞典を使う練習をしたけど、日本語の本を読みながら辞書を引く人はどれくらいいるのだろうか?英語で本を読むと、わからないことは徹底的に調べるという癖がつく。
英語辞書・国語辞書・ウィキペディア・グーグル検索、画像検索、動画、すべてを駆使した。一冊の本を読み切るために、ウィキペディアを利用した回数は想像もできない。
知らない固有名詞、日本人に馴染みのない文化もすぐにウィキる。宗教、有名人の名前、地名など。
たとえば、食事をしているシーン。ネットでその食べ物の写真や文化などを検索すれば、あ~これを説明したいのね、とだいたい文脈を予測できるし、その情景が浮かんだりする。物事を知らない人でも本を読むのに最適な時代になった。
③忍耐力と集中力
読み始めたころ、たったの1ページで調べる単語の数、ウィキる数、ググる数は半端ではなかった。だから、たったの数ページを理解するのに2時間もかかっていたのだ。わからないこと、知らないことを理解するには、言うまでもなく忍耐と集中が必要になる。
集中なんて、もっても2時間がいいところ。3時間の映画を見ると疲れ切ってしまうよね。だから、1日にたったの数ページしか進めないなんてことも。
英語の本で鍛えた読書力、日本語の文章を読む時にも発揮されるようになった。あやふやな熟語の意味はもちろん、地名や歴史など、良く知らないことはとにかく気になってしまい、自然と調べる習慣がついた。
こんな風に読むことで、本を謎解きゲーム感覚で面白いと感じるようになったのだ。
苦しいのは最初の1冊だけ、習得すれば一生のスキルになる
映画やドラマは、英語や他の知識が豊富でなくても、アクションやゾンビものなど、それなりに楽しめてしまう。
でも本はそうはいかない。最初の1冊は苦しみが伴う。逆に言うと、たったの1冊を読み切るだけで、見える世界は激変する。本を読む力は、誰でも使える最強のスキルだから。本を読むことが楽しいと感じられるレベルになれば、継続が可能になる、つまり一生のスキルになるということ。
私みたいに何週間も本を放置しなければ、数ヶ月で読みきれるかもしれない。多忙な人は、1年かかるかもしれない。人によっては、2冊苦しむかもしれない。それでもその努力、本を読む力は、君を裏切ることはないと思う。
英語の上達は、その副産物くらいに思っても良い。
2冊目の英語小説を読み切るのにかかった期間
約2ヶ月。
この時点で、1冊目の苦労には意味があったことがわかる。
- 語彙力が増えたので、読むスピードは劇的に飛躍した。
- 調べる力がついたので、調べものがめちゃくちゃ早くなった。
- 考える力が養われたので、わからない表現や文法も、ちょっと脳みそを使えば理解できるようになった。
そして何より、普通に内容が面白いと感じた。もっと続きが読みたくなった。もちろん、まだまだ知らない単語や表現は無数にあった。
3冊目の英語小説を読み切るのにかかった期間
21日間。
図書館で借りたにも関わらず、期限内に読み切ることができた。学校の図書カードをいつも延滞しまくっていたのと同じ人間だとは思えない。しかも第2言語だ。
この時点で、1ページで調べる英単語は10%くらいだろうか。もちろん、知らないことはすぐにウィキ検索する。読み終わるころには、日本語で本を読むのと特に変わらないスピードになっていたから驚いた。
ただ、このあたりで問題が発生した。
わからない単語があっても、文章の意味を理解できてしまうのだ。特に形容詞や副詞など。英語辞書を引かないなど、ちょっと怠けだした自分が現れた。
これだと日本語で、サクサク流し読みしていたころと同じになってしまう。そこで、明確に意味がわからない単語は、ちゃんと調べるというルールを設定した。読むスピードが早くなりすぎないように、初心に戻り、文章を注意深く読むことを心がけるようにした。
好きになってしまえば、勉強も努力も必要ない
英語の勉強も分厚い本も、好きになっていないから難しいわけで、楽しめるようになってしまったら、ただの娯楽でしかない。
英語だろうが日本語だろうが、知識が増えれば増えるほど、点と点はどんどん繋がって、いろんなことが理解できるようになってくる。物事が理解できると、新しい事を学ぶこと事態がおもしろいと感じるようになってくる。これは、本を読む楽しさを知ってから学んだこと。
知識人は、苦労して勉強している頭が良い人だと思っていたけど、実はそうでもないのかもしれない。ただ本を読むという娯楽を楽しんでいる人達なのかもしれない。
英語小説を読み切ることで自尊心を向上させよう
たとえ1年かかったとしても、2年かかったとしても、1冊の英語小説を読みきった君はすごい。一億2千万人のうちいったい何%の人が英語小説を読み切ることができるおだろう?おそらく数パーセントだろう。
2時間かけて1ページでも前に進んだ君はすごい。苦しんだということは、成長したということ。でも英語も読書も自分のものになるまで、最低でも1冊~2冊は苦しむ必要がある。
1冊読み切ったあとの成長は半端じゃない。なぜなら、2冊目が楽に読めるようになるから。ということは、君はその後も成長し続けるということ。
もちろん英語の簡単なブログくらい楽に読むことができるようになるし、英語のウィキペディアも、専門的な内容のものでなければそれなりに読むことができると思う。ということは、君は本当に使える英語を習得したということ。
高卒フリーターバカホリだった私にとって、この挑戦は大きな自信に繋がった。学歴がない人、学校へ行くお金がない人、何の取柄もないと思う人、是非挑戦してほしい。サクっと「英語なんてできて当たり前」になってほしい。
小説を読みきる前の私の英語力
ワーホリでオーストラリアとドイツに住んで、日常のスピーキングは余裕だったけど、読書に必要な語彙力や表現力と、会話に必要な語彙力はまったく次元が違うと感じた。逆に、英語で読書ができたからと言って、流暢に英語が話せるようになるわけでもない。この二つは、思った以上に違う能力だったりする。
私の場合、本を読み始めた時点で、高卒ぐらいの語彙力と文法力はあったものの、小説となるとかなり苦労した。逆に言うと、中高の文法を復習すれば、本を読み始めることができるということ。なぜなら、日本人はその6年間で、しっかりと英語を学んでいるから。
日本語でも英語でも、本を読まない人の語彙力は低い。ヘタしたら、日本語を勉強している外国人の方が難しい単語や表現を知っていたりする。第2言語目を学んでいる人は、言葉というものに本気で向き合っているから。
さらに、海外移住している日本人で、高校英語に毛の生えたくらいの英語力しかない人も多い。なぜなら現地の学校を出ていないのと、本を読まないから。学びや成長に場所は関係ないということ。
近年コロナの影響で、ワーホリや留学、海外旅行など、残念なことに海外へ行くチャンスは限られてしまったけど、もし海外に興味がある人は、誰でもどこでもできる英語小説にチャレンジしてみてほしい。
のまどちゃんが初めて挑戦した英語小説
1冊目 かかった期間:半年 349ページ
Native Speaker (1995)
by Korean-American author Chang-Rae Lee
2冊目 かかった期間:約2ヶ月 527ページ
Crazy Rich Asian (2013)
by Kevin Kwan
3冊目 かかった期間:21日間 544ページ
China Rich Girlfriend (2015)
by Kevin Kwan