ワーホリや留学に最適な年齢を判断するための3つの社会階級

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前回の記事で、バックグラウンドって何という話をした。

自分ができることできないことは、自分の能力以上に社会や周囲の状況により決まってくる。

自分の状況を正しく理解することで、ワーホリや留学をするしないや、そのタイミングを判断できるようになる。今回は社会階級の話をするね。

この記事は、内容がけっこう難しい+長いので、時間と集中力がある時にで読んでみてね。残酷だけど、意思決定に役立つ内容です。

ワーホリや留学に最適な年齢を判断するための3つの社会階級

ワーキングホリデーには、18歳から30歳という年齢制限がある。英語で「Young adult」、日本語で若年層と年代。

この年齢層、法律でいうと成人だが、経験の観点からみると大人になり立ての状態。大人になるための訓練を受けている状態と言ったほうがいいがわかりやすいかな。

大人になるための訓練生が海外へ行くという決断をする。それってすごく勇気がいること。鋭い意思決定と問題解決能力が必要だよね。

もちろん勢いでワーホリしたっていい。私もそうだったしね。でも私の場合はね、たまたま行くタイミングが正しかったのさ。結果的によかった、ただそれだけのこと。

もし今君が、ワーホリや留学をするタイミングで迷っているのなら、まずは自分の状態を分析することが大切。

残念なことに、この世界はMeritocasyではない。自分ができることできないことは、バックグラウンドによりほぼ決まってしまう。もちろん個人の頑張りなんてのはあたりまえ。そんな次元の話ではない。

社会階級って言葉は聞いたことあるよね。これは人生の意思決定をする際に重要な知識となる。でもこれは複雑な概念なので、本来は社会学で学ぶ必要がある。ここでは海外へ行く人のために、この社会階級をかみ砕いて説明するね。

私の観察では、今の日本社会には、大きく分けて3つの階級が存在する。

  1. 何度もやり直しできる階級
  2. チャンスは一度だけ階級
  3. そもそもゼロ階級

この3つのどの状況に近いのかで、海外へいくタイミングは変わってくると思うのさ。もちろん人の状況は十人十色。自分の状況を判断するには、社会経済や心理学を始め多くの観点から考慮しなくてはいけない。たった3つのタイプに人の人生を分けることなどできないし、型にはめたくもないよ。

そのあたりを理解しつつ、この3つの社会階級を、複雑な社会を理解する糸口にしてみてほしい。

ポイントは、自分にはいくつ選択肢があり、そのうちいくつを手に入れることができ、そのうち何をあきらめる必要があるのか。これを理解することで決定する力が身につく。

1.何度もやり直しできる階級

何度もやり直しできる階級とは、アレもコレもやってどれもこれも手に入る人のこと。子供の頃は、自分の人生をこうイメージするのが普通だよね。

でも実際この生き方を手にいれるのはほんの一握り。理由は格差社会だから。生まれ・人種・性別など、様々な要素で格差が生まれる。子供はこの概念を知らないので、自分の頑張り次第でほしい物を手に入れることができると考える。

日本の少年マンガには、格差というコンセプトがない。または気合いと根性でこの格差を突破できるというコンセプトになっている。だから”少年”マンガなのさ。

何度もやり直しできる階級の特徴

私立大学に入学するチャンスが一度でもる。休学などで在学中にワーホリを経験。帰国後は企業に就職し安定を手に入れる。もちろん正規雇用のホワイト企業。

華々しい学歴も、海外経験も、正規雇用もすべて手にいれる。

そして30代になり「あーなんかやっぱまだ海外に興味あるな〜、もうワーホリはできないし、留学とか見当してみようかな〜。」という2度目の海外という選択肢すら存在する。

「海外で就職していようかな。」と30過ぎてから海外移住、海外で日本と同等の生活水準をも手に入れてしまう。

ワーホリで1年休学するというハンデをおい、それでもきちんと卒業・就職できる人は、元々そのための道がひかれていたと考えるのが自然なのさ。ワーホリや留学をしようがしまいが堅い将来は約束されている。

この階級の人は、進学に失敗したり、単位を落としたり、出席日数が足りないなんてヘマをしても、やり直しができるチャンスが用意されている。もし新卒で就職に失敗したら、また進学して状況をリセットすることも。

失敗を許される、チャンスが複数回ある人。言い換えると、人生を失敗をしない人とも言える。

ビジネス成功者や高い地位を確立した人たちは、実力のみで今のポジションを確立したわけではない。失敗した時にやり直しできる環境があった、または失敗を事前に防げる環境があった、そう考えるのが自然なのさ。

勉強に集中できなくなれば休暇をとってリフレッシュしたり、成績が悪ければ特別講師をつけたり、専攻した学問が自分に向いていなければ、方向転換するお金や時間の余裕もある。

とまぁ、まずは自分にはこういったオプションが用意されているのかを冷静に分析してほしい。

何度もやり直しできる階級、ワーホリ経験はハンデにもならない

ワーホリとキャリアに関する調査によると、ワーホリ後に高収入を得る傾向にある人は、男性・高学歴・地位の高い職種・子供がある・大都市に住んでいるなど、一般的な高収入の概念と一致する。

このことから、何度もやり直しできる階級は、ワーホリ経験がその後のキャリアに良い意味でも悪い意味でも影響する可能性が少ないいのだろう私は思う。※このデータは大規模な研究ではないので、あくまでも参考にね。

この階級にいる人は、海外で遊びほうけても、英語や社会知識なんて身につかなくても、ワーホリで大金を使い果たしても、そんなことは特段キャリアに影響しないのだろう。なぜならキャリアは根本的に、家庭のバックグラウンドや教育(学歴)で決まってくるから。

何度もやり直しできる階級は、20代前半のワーホリがおすすめ

何度でもやり直しできる階級は、人生でやりたい事をほぼ達成できてしまう。高収入・キャリア・結婚や子供・家や車・海外旅行や移住など。

20代前半の海外経験は誰にでも貴重な経験だよね。若いうちにチャンスがあるなら、それを逃すのはもったいないと感じる。この階級の人は、ワーホリの知識や経験を活かし、30代を過ぎてからまた海外経験をするという選択肢すら用意されているのだろう。

ワーホリビザの場合は、海外での労働という貴重な経験と1年という時間の余裕もある。多くの人と出会い人脈を広げ、現地でしか得られない情報に触れ、日本では絶対にできない経験となる。

どれもこれも手に入れられる地盤が整っている人は、どれもこれも手に入れたほうがいいよね、と私は思うのさ。

何度もやり直しできる階級、具体的にはどんな人?

原則は、ワーホリをしてもその後のキャリアに悪影響を及ぼさない人。

  • 進学の学費と生活費、ワーホリ初期費用も親が全面援助してくれる。
    ※ワーホリ初期費用は国によるが30~50万円ほど。数ヶ月で仕事を始めるので、その後の生活費は自分で補うことができます。
  • 選択した学部や専攻で失敗しても親がやり直す機会を与えてくれる。
  • 専門学校でダメだった場合は、大学へ行くなど第二の選択肢が与えられる。
  • 就職できなかった時は、親や知り合いに安定した就職先を斡旋してもらえる。
  • ワーホリ帰国後に無期限で住める場所と当面の生活費が保証されている。
  • ワーホリ帰国後に確実に正規雇用で就職できる学歴や職種を選択している。
  • ワーホリ帰国後に進学できるお金・生活費・精神面のサポートがある。

これはあくまでもノマドちゃんの観察によるものなので、状況は個人差があると思います。

これだけのチャンスを与えられた場合、普通にちゃんとがんばれば、誰でも安定した将来を手にすることができるだろう。

とまぁ、こういう状態には当てはまらない、又は可能性は低いだろうと思う人は2へ。

2.一度だけチャンスがある階級

一度だけチャンスがある階級とは、アレもコレもやるとどれもこれも手に入らないが、一つだけに集中すれば、ちゃんと手に入る可能性が高い人。一度しかない目の前のチャンスを、必死に掴み取らなければいけない人。

現代は、この階級がマジョリティ層だと思うのさ。

必死のパッチで進学しなんとか卒業。バイトをしたり、国の教育ローンを借りたり、クレカの限度額マックスにして、学費や生活費をなんとかやりくり。新卒で正規雇用のまともな職にもこぎつけ、あ〜やれやれ、という状態またはその可能性が高い人。

休学をしたり、就職前にワーホリをしたり、派手に海外旅行をしたり、洋服やガジェットにお金を散財したり、実家に住めるのにいきがって一人暮らしをしたり、外食や出前ばかりとったり、とにかくリスクになることは全て排除し、目の前にある安定就職のチャンス(もしあるなら)に超集中しなくてはいけないという人。バブルティーとかアボカドトーストとか、小さなご褒美はOKだけどね。

ここでのチャンスとは、社会保証が約束されている正規雇用の仕事を手にし、安定を手に入れることができるというレベルです。

一度だけチャンスがある階級は、まず心と財政の安定を

一度だけチャンスがある階級は、そのチャンスを最大限に活かすことが先決。新卒で就職し、その会社で社会経験やスキルを身につけコツコツ借金を返済。同時進行で着実に貯金をする。20代のうちにお金を正しく学び、収入と支出のバランスを徹底コントロールする術を身につける。

何度もやり直しできる階級がやりたいことをやる間に、一度だけチャンスがある階級は、着実に地に足をつけ地盤を固める。地味な日常を繰り返し小さな喜びを糧に生きる。地味イズザベスト!

この階級の人の注意点は雑念。何度もやり直しできる階級や、ゼロ階級の自由な生き方を見て、あー私もこんな風に生きた方がいいのかしら、と心がブレまくる人もいるだろう。

迷いが生じあちこちに意識が分散すると、ストレスが増え集中力が低下。精神不安は目標達成の大敵となる。目の前の勉強や趣味に集中したいのに、SNSやネフリのビン時見で現実逃避なんてことも。

20代は夢ややりたいことではなく、社会やスキルを学び、30代の方向転換に備える。こんな目標を達成するには根拠のある確信がいる。例えば、海外という夢は20代後半でも実現できるという確信。

一度だけチャンスがある階級は20代後半のワーホリがおすすめ

この階級の人がワーホリするのに最適なタイミングは、20代後半~アラサー。

日本で社会人として成長し、心と財政の安定を手に入れ、それでもまだ海外に興味がある場合、または自分のキャリアや生き方を方向転換したいなと思った場合、20代後半から30手前でワーホリを遂行することができる。

豊富な社会経験があり、脳も完全に発達している状態で海外へ。新たな価値観にふれることで、自分が本当にやりたい事やキャリア変更のアイデアを探求してほしい。

住む場所・生き方・人間関係など、人生設計そのものを見直す絶好の機会。海外で新たな社会知識や人生哲学を学び、全く新しい自分を発掘することも。地位やお金では得られない幸せに気づいたとき、自分にとって本当に必要なものは何かが見えてくる。

一度だけチャンスがある階級は、一つを得ると一つを失う

この階級の最大の特徴は、一つ手に入れると一つを失う可能性が高いということ。仕事を退職(求職)してワーホリをした後に、同じ職場や職種または同じ水準の給料が手に入るという保証はない。

大卒資格や経歴がある人は、海外の夢をワーホリ1年で割り切ることで、また日本の安定した生活に戻れる可能性もある。その時の社会経済によるけどね。それもまた一つの取捨選択。

逆に海外をワーホリ1年では割り切れず、2年ワーホリや海外移住などの夢を膨らませた場合、それを実現することはさほど難しくはないが、日本と同じ水準の生活を保てる保証はない。

日本の資格や経歴は、海外ではリセットされることが多い。日本でなんとか進学に成功した人が、海外で進学するとなると、難易度が劇的に高いことは予想できる。言語力・社会知識・スキルや職種によるけどね。どの先進国でも自国民がまともに就職できないこの時代に、外国人が高い生活水準を求めるのは現実的ではない。

海外という夢を手に入れる代わりに生活水準を落とす必要がある。一つを得ると一つを失う。逆に一つを手放せば一つを手に入れられると考えることもできる。

一度だけチャンスがある階級の人は、全てを手に入れられる人よりも、得たものの価値は大きいのかもしれない。


早い段階で海外に永住を決めている人は、日本では進学・就職せず、初めから住みたい国で地盤を固めた方がいいかも。一度だけチャンスがある階級は、欲張るとどっちつかずになる可能性も。海外で地盤を固めると日本でのそれは難しくなる。その逆もしかり。これを取捨選択という。

どちらか一つを選ぶと必ず一つは手に入る。そういう状態が予測できる場合、それはリスクとは言わない。自分が選択したまたは選択しなかったことの結果、何一つ手に入らない場合、それはリスクにとなる。

何度もやり直しできる階級の場合はね、先に海外で進学して失敗したとしても、日本での再チャンスが用意されている。この階級の人はいったい何を失うんだろうね。

3.そもそもゼロ階級

そもそもゼロ階級の人は、自分が海外に興味がわいた時点で計画し、好きなタイミングで無理なくワーホリを遂行してほしい。

ここでのゼロとは、安定したキャリアや高収入を得られる可能性は、ほぼゼロという意味。響きが残酷すぎるね…。

でもでも、幸せになる可能性がゼロという意味では決してないよ。幸福は、必ずキャリアや収入からくるものではない。もちろん、いいねの数でも決まらない。

韓国ではね、高学歴・大手企業就職・高収入・完璧な見た目で、完璧な人生を手に入れることが社会ノームなのさ。完璧でないと合格点はもらえない。だからこの国はね、先進国の中でも自殺率が高く幸福度は低い国として、海外では知られている。

ゼロ階級とは具体的にどんな人?

ゼロ階級の人とは、中卒・高卒、または進学したが中退、就職に失敗したまたはその可能性が高い人。何度もやりなおしできる階級とは、真逆のバックグラウンドとなる。

中退したり就職に失敗し続ける人は根性がない、それとも意思が弱い?

それは偏見だよ。

そもそも、若者が安定的に学校へ通い続ける要素は全て揃っていたのか。そう考えなければいけない。

ゼロ階級の人は、原則として進学や就職が難しい環境が整っている:

  • 親のサポートを得られない。逆に自分が親や家族をサポートする立場にある。
  • 勉学に集中できない生活習慣や家庭環境があり、その状況を変える事が困難。
  • 育った環境により通学や課題の時間を守るなど自己管理能力が低い。
  • バイトで学費や生活費を稼ぐ必要があり学業に支障がでる。
  • 食事や睡眠バランスが悪く、まともな判断能力が欠落している。
  • 選択を誤り自分の能力値以上の学校へ進学してしまった。(親の助言不足)
  • 就職が難しい学部や専門学校へ進学してしまった。(親の助言不足)
  • 身内の不幸や虐待・イジメなど、精神的ダメージのケアが足りなかった。

自分の人生を怠ける人なんて、ほぼ存在しない。だって自分の人生だよ?がんばるに決まってるじゃん。がんばっても、がんばっても、どれだけがんばっても結果はでない。そういう状態が続くと人は希望を失う。

ゼロ階級の人は、どれだけがんばっても進学や就職の道は閉ざされる環境が整っていたにも関わらず、社会ノームの犠牲者になった人たち。本人の意思や頑張りとは全く関係のない多くの要素により、その未来は左右される。もちろん、本人の超人的な精神力と肉体で這い上がれる場合もある。でも這い上がれなかった時は、取り返しのつかない問題が起きることも。

進学や就職が成功するかは、頭の良さやお金だけでは決まらない。親からの精神的サポートは絶対的なもの。親の教育レベルや共に過ごす時間も、子供の将来に大きく影響する。

ゼロ階級は幸せへの道を模索しよう

この階級の人は、成功や勝ち組というチャンスがほぼゼロというだけで、幸せになるチャンスがゼロななわかではない。好きなことをやりながら幸せに生きるという選択肢は豊富に残されている。私はそう信じている。いや、そう信じなければ生きていけない。

この階級の人は、日本の高収入で安定的な生活も、海外でのそれも難しい。なので日本に住んで低所得で楽しく生活しても、海外に住んで楽しく生活をしても、まぁ好きなほうでいいんじゃない?ということ。もちろん老後のことを考えて最終的に一つの場所に定住する必要はある。

基本的に、経済大国日本で低所得・低学歴の人は、健康で普通に働きさえすれば、ワーホリや海外移住をしたとしても同じ水準の生活を保てる可能性が高い。

行く国によっては、低所得の収入が日本より優れている国もあるので、やりようによっては日本より豊かな生活ができる可能性もなくはない。

学歴や収入が低い=スキルや能力が低いではないからね。早い段階で海外へ行き、お金・学歴・親のサポートが乏しい自分でもできそうな新しいアイデアを見つけるという手もある。

もちろん進学や就職をせずにフリーターを続ければいいというわけではないよ。自分の身を守るために自分自身を教育し、自分にとって正しい行き方を探す必要がある。

注意点として、ゼロ階級の人は、今より状況が悪化することは絶対に避けなけばならない。ワーホリをすることで、借金まみれになったり、帰国後に住む場所がなくネカフェ難民やホームレスになる状況が予測される場合は、慎重に見当する必要がある。


ノマドちゃんは20代の頃、自分にも周りと同じようにチャンスがあるのだと思いこんでたのさ。意味不明だけど、まぁその方向性で生きていたのさ。だから人生がめちゃくちゃになった。でも、自分はゼロなんだわと理解してからは、人生がうまくまわりだした。

もっと若い時にワーホリしておけばよかったなと思う半面、20代前半の私の知能レベルで海外は危険だったとも思う。なので結果的に20代後半で思い切ってワーホリして、3大陸に住んだことは、万々歳だったかな~とも思う。

本当の自分を知るって怖い。でもそれを知らないのはもっと怖い。自分の状況を正しく理解しなければ、嫉妬からは逃れられない、取捨選択もできない、やるべきこともやるべきでないこともわからない。希望を持つことすらできない。

【最後に】ワーホリができない人について

低所得層の下には、貧困層や絶対貧困という階級が存在する。階級という言葉は使いたくはないけど、貧富の差があるという現実は受け止めなければいけない。

貧困層の人は、ワーホリをするという選択肢すら存在しない。なので必然的に、この記事内容には含んでいないのです。食べることすら困難な人が日本にも存在する。

もし自分にワーホリという選択があるなら、たとへそれと引き換えに何かを失ったとしても、たとえ成功がゼロだったとしても、その選択肢があるだけ恵まれていることは認識しなくてはいけない。

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