ワーホリ経験で学んだ、単調と新鮮さのバランスと無限ループ
単調さと新鮮さ。この違いを理解しバランスをとることで、自分の時間をうまく使えるようになってくる。もちろん、意思決定や問題解決にも役立つ。
新鮮さが多い生活は、時間の認識が長くなる。
単調なルーティーン生活は、それが短くなる。
両者の違いを理解し、バランスをとるためには、正しい知識と、積み重ねた経験、この両方から自分にあった答えを導きだすことが必要となる。
ここでは、①私の経験と、②時間認識の知識を話すね。一番下に、英語で時間認識を学ぶための動画もつけておいた。
ワーホリの経験で学んだ、単調と新鮮さのバランスと無限ループ
単調なルーティーン生活で、時を失うことを恐れてない?
私自身、コロナ期間の水平生活では、多くの時を失った。
朝目覚め、とりあえず呼吸に集中する。日に2回、食べ物を喉に通す。苦しみから逃れるため、液晶画面の光へと、目を逸らす。直立で生活するのが難しくなった。
あの期間の自分は、生きるために生きていた。
単調な生活は、記憶に残らない
ただ生命を維持する生活。その単調な日々の記録は、ほぼ残っていない。
単調な生活は、記憶を残すほどの価値はないのだろう。でも、生きるために生きたその時間は、文字通り生きた時間であり、人生を構成する要素の一つとなった。
隔離生活は、つまらなかった?
自分の生命を維持するのって、そんなにつまらない?
新鮮な生活は、疲れる
コロナの前に経験した、ワーキングホリデーでは、1年で10回以上の引っ越しをした。新鮮な日々は、多くのシーンとなり深く記憶に残っている。
新鮮な環境、脳は様々なことに注意を払う。その状況を分析するため、活発的に活動するのだろう。脳はエネルギーを消費し、疲れる。新鮮な生活は、記憶に残るが疲れる。
新鮮さとは、トトロだった
脳が新たなことを学習する。これは良いストレスのひとつ。ストレスゼロだと、脳は成長しない。心臓や筋肉も、ある程度のストレスがかかることで強化される。※脳がリラックスしたり、睡眠時間も、その発達に重要です。
ワーホリオーストラリア生活から帰国、放心状態になった。やり切った感より、精神的に疲れ切っていた。海外では嫌な経験も多かったから。この疲れやストレスはとても不快に感じた。でも今となってあれは、良いストレスだったと思える。その理由は:
- ボケ〜ッとすれば、ストレスや疲れは2週間ほどで回復した。
- 帰国後は、1年の体感時感を5年ほどに感じた。
- 苦い経験のおかげで、複雑なことがより理解できるようになった。
※短期的に回復するストレスは、良いストレスの可能性が高いです。
新鮮な生活は、ものすご〜く長い時を過ごしたように感じる。早まる人生の時間が、ワーホリ期間中はスロー再生に。あれはとても不思議な経験だった。
帰国後、ワーホリ前の自分という存在が、遥か遠〜くに見えた。古いバージョンの自分から遠のくは、寂しいこと。
新鮮さは、ストレス・不安・寂しさなど、負の感情を生み出す。
その感情が自分にもたらす利益の大きさに気づいたとき、そのあまりの可愛さに、頬っぺたスリスリしたくなってしまう。
新鮮さとは、トトロだった。
※ジブリ作品には、一見、気味の悪いキャラクターがよく登場する。私たちがトトロをカワイイと思う理由は、カワイイ存在として広く認識されているから。小さな子供の目線で、初めて目にするトトロの存在。それは得体のしれない怖いオバケに見えているのかもしれない。
単調・安定・快適は紙一重
単調な生活は、脳にかかる刺激が少ない。イメージとしては、脳がリラックスし、そのエネルギー消費を抑えているような状態。言い換えると、思考停止。
- 単調なルーティーン生活は、脳の消耗を抑えてくれる。
- 快適な生活は、ストレスや不安が少ないなく心地がよい。
- 安定感は、不安とストレスを軽減してくれる。
安定的な暮らしは、人類が望み続けた幸福そのもの。農業の発達・産業革命・インターネット。人の暮らしはどんどん安定し、”つまらないもの” になっていった。※これは先進国の話。
単調と安定と快適は、紙一重かもしれない。
単調な生活は、予知できない未来への投資
生産性が高い単調な生活は、将来のために何かを積み立てている状態。例えば、スキルや知識、お金など。ただスキルやお金は、使いどころが無ければその価値を生み出さない。将来、その価値をうまく見い出せるかどうかは、その時代の情勢に大きく左右される。
単調な生活で時間を失うのと引き換えに、将来なんらかの価値や利益を得る。単調な生活に時間を投資することは、物物交換やギブ&テイクと似ている。つまり、見返りを求めた行為となる。
見返りを求める行為のマイナス点は、それを回収できなかった場合に、大きなストレスを感じること。後悔という感情がうまれる可能性はある。
次に生産性の低い単調な生活は、将来に価値を生み出さない可能背も高い。例えば、家賃や食費を稼ぐために単調なルーティーン生活をしているなど。私がコロナ期に水平生活をしていた時も、この状態だった。長い人生には、生命を維持するために生きることが必要な時もある。
生きるために生きる行為。それは生命の本質。これは、見返りを求めた行為ではない点が、前者とは異なる。生きるために一生懸命生きた結果、君はその時間を後悔すると思う?
どちらにせよ、単調な生活の特徴は、①記憶に残りにく、②時間が早く過ぎていくように感じる。
原則として、未来を知ることは不可能。予測はできても、予知はできない。
生産性が高い単調な生活は、予知できない未来への投資。
生産性の低い単調な生活は、生きるために生きること。
新鮮さは、脳の財産
新鮮さのある生活は、たとえ生産性が低くても、脳の活性化や成長に役立つ。
新鮮さは記憶に残りやすい。後になって、多くの時を過ごしたと感じる可能性は高い。つまり有意義な時を過ごしたと感じる。
新鮮さは、その記憶や時間の長さが脳の財産となり蓄積される。おそらくそいうことだろう。
もちろん未来は予知できない。事故や病気で、積み重ねてきた記憶を失うこともある。
【注意】多様な生活スタイルを、単調と新鮮さ、二つのカテゴリーにわけることはできない。
ノマドちゃんは、脳や自分の人生にとって、どちらも重要なコンセプトだと思っている。つまり、バランスよく摂取するのが何よりも重要だと思うさ。選択肢があれば、の話だけどね。
単調と新鮮さ、バランスと無限ループ
人の味覚は、バランスを取るようにできている。甘いものを食べると塩味がほしくなる。脂っこいものは、辛みや酸味がほしくなるよね。
経験も同じこと。
ポテチとチョコを交互に食べて、甘いとしょっぱいの無限ループ。幸せは続くけど、皮下脂肪は気になる。でも経験の無限ループは続けてもいい。そう思わない?
さすがに3大陸でワーホリ経験した後は、「いや〜、食った食った、もう当面は新鮮さ、いらないっす。」と、お腹パンっパン。その反動で、やや引きこもり生活へ。食ったらすぐ寝る、みたいな(笑)。
口があまあまになりすぎた後の、ポテチ。幸せ〜!
人は、バランスで喜びを感じる生き物。多すぎず、少なすぎず、単調と新鮮さもバランスが大切。
若い時に遊びまくってた人が、急に家庭に落ち着く。
Midlife crisis (中年期危機) で自分を見失う。
周囲で耳にする現象は、人生の単調と新鮮さのバランスを取るための、自然メカニズムなのかもしれない。
ワーキングホリデーの新鮮さがもたらすもの
ワーキングホリデーは、新鮮さの過剰摂取になる可能性もある。1年の間に起きる変化が多すぎるから。その反動で、帰国後に単調な生活を求めたとしても、それは何もおかしなことじゃない。帰国後は、そのギャップに脳が戸惑う可能性もある。でもそれは、脳がバランスの取り方を学習している証拠。私はそう思う。
単調な生活が続くと、新鮮さへの抵抗力が、自分にどの程度あるのかわからない。ワーホリでそれを過剰摂取することで、自分の限度が見えてくる。帰国後は、日本の単調な生活に、どれくらいの新鮮さをプラスするとバランスを取れるのか、いろいろやってみてほしい。
クリエイティブな趣味は、新鮮さが多いはず。引きこもりでも、ゲームや読書など、様々な方法で違う世界へ行くことができる。もし子育てをする人は、新鮮さの量が増えるかもしれないね。
新鮮さには、いろんな形がある。
【重要】単調と新鮮さの選択肢
最後に、ワーホリ経験で学んだ最も重要なこと。
不安定な暮らしを余儀なくされている人は、どれだけ単調な生活を望んだところで、それを手にすることはできない。彼らに選択肢は存在しない。
「平凡が一番幸せ」とは、単調という選択肢への感謝を表す言葉かもしれない。※ブーマー世代が言う ”平凡” は、意味合いが全然違うけど…。
裕福な人は、単調で安定的な生活を ”つまらない” と認識する。あえて高所に登り、恐怖を感じてみたり、めんどくさい人間ドラマを演出するなど、人工的な ”新鮮さ” を求める人もいる。
単調な生活ほど贅沢なものはない。
時間認識の変化は動画で学ぼう。 Dr. Joe Hanson さんは、生物学者みたいです。イメージがわかりやすかったので、時間の理論を学びたい人、どうぞ。