カナダデーを祝う前に知るべき先住民、大量虐殺の話【無知は誰かを傷つける】
こんにちは。 のまどちゃんです。
例えば、何千という数の子供の遺体が発見されたと聞いて、君はどう反応する?
カナダデーを祝う前に、ワーホリする前に、どうしても知ってほしいこと。ショックな内容なので、読む人は覚悟して読んでほしい。
今回の記事では、英語・歴史・政治・文化などが学べるよ。
カナダデーを祝う前に知るべき先住民、大量虐殺の話【無知は誰かを傷つける】
英語を理解できるようになって困った事、それは残酷な現実に深くリーチできてしまうことだ。
友人 “Canada Day should be canceled. “
私 “Why? Because of COVED?”
友人 “No, because so many Indigenous children’s bodies were found. “
私は先住民の子供たちの遺体が発見されたことが、どうしてカナダデーキャンセルに繋がるのか、いまいちピンとこなかった。無知だったからだ。
そこで、この出来事の背景について英語で調べてみた。
先住民の子供の大量虐殺、残酷すぎて言葉を失った
「genocide」と聞いて君は何をイメージする?
日本にいたころ「genocide」と言えばドイツのユダヤ人大量虐殺のことだと思っていた。ところが、世界ではいたるところで大量虐殺が起こっていると、ワーホリを始めてから知ってしまったのだ。
その中でも、カナダレジデンシャルスクールのそれには、言葉を失った。
2021年5月27日、215人の子供の埋められた遺体が発見された。さらに6月24日には751人の遺体が見つかった。この数はほんの一部で、多くの身元不明の遺体が各地で見つかっている。
それは、レジデンシャルスクールという場所で虐待された先住民の子供たちだと知った。小さな子供がレイプされ殴られ、死んだらそのまま埋められる場面を想像した。でもなぜ学校でそんなことが起きるのか?
英語でニュース記事を読んでみよう
Remains of 215 children found buried at former B.C. residential school, First Nation says
Discovery of 751 unmarked graves ‘has to be a wake-up call,’ Indigenous women’s group says
カナダのレジデンシャルスクールっていったい何?英語で学んでみる
In Canada, the Indian residential school system was a network of mandatory boarding schools for Indigenous peoples. The first residential school opened in 1828, and the last one closed in 1997.
Wikipedia
カナダには1828年から1997まで、先住民の子供を強制的に収容する寄宿学校が存在した。これをレジデンシャルスクールと言う。
mandatory ここでは義務ではなく絶対参加の強制的なという意味。
boarding schools 全寮制の寄宿学校のこと。
The network was funded by the Canadian government’s Department of Indian Affairs and administered by Christian churches. The school system was created to remove Indigenous children from the influence of their own culture and assimilate them into the dominant Canadian culture.
Wikipedia
カナダ政府認可のキリスト教会運営の学校で、目的は先住民の子供たちから独自の文化を取り除き、白人文化に同化させることだった。
assimilate 同化させる。他を自分と同じにさせるという意味。
The system had its origins in laws enacted before Confederation, but it was primarily active from the passage of the Indian Act in 1876, under Prime Minister Alexander MacKenzie.
Wikipedia
この学校システムは1876に制定された「The Indian Act」という法律に基づいていた。
要するに、カナダレジデンシャルスクールとは、先住民の文化を消し去るための強制収容所、いや牢獄のような施設で、恐ろしいことにカナダ政府が当時の法律に基づいて遂行していた。さらに、この残酷なシステムが完全に閉鎖されたのが1997年、現在30代の私が小学生のころだった。
レジデンシャルスクールの残酷な過去と現在
Over the course of the system’s more than hundred-year existence, around 150,000 children were placed in residential schools nationally.
Wikipedia
この学校システムは1世紀におよび、全国で15万人もの子供たちが参加させられた。
The number of school-related deaths remains unknown due to incomplete records. Estimates range from 3,200 to over 30,000.
Wikipedia
カナダ政府の怠慢により調査はなかなかは行われず、子供たちの行方の多くは未確認、死者は3200人から3万人と推定される。
The schools were intentionally located at substantial distances from Indigenous communities to minimize contact between families and their children.
Wikipedia
家族と子供たちが連絡をとれないよう、スクールは意図的に先住民の居住地域から遠く離れた場所に設置された。
intentionally 意図的に◆行為者が悪意を持っているニュアンスがある。
The residential school system harmed Indigenous children significantly by removing them from their families, depriving them of their ancestral languages, and exposing many of them to physical and sexual abuse.
Wikipedia
子供たちは無理やり両親から引き離され、独自の言語は奪われ、施設内で肉体的、性的な虐待を受けた。
deprive 奪う、取り上げる
expose 〔保護されていない状態や危険なものなどに~を〕さらす
sexual abuse 性的虐待
The legacy of the system has been linked to an increased prevalence of post-traumatic stress, alcoholism, substance abuse, and suicide, which persist within Indigenous communities today.
Wikipedia
このシステムに関与した先住民の家族は、心的外傷後ストレス障害、アルコール依存、薬物依存、自殺行為などの精神障害を引き起こし、現在も苦しみ続けている。
カナダ政府がこの事実を無視し続け、ケアや援助を怠ったことにより、その傷は次の世代にも引き継がれてしまったみたい。
首相がよく言っている「Reconciliation」っていったい何?
「Reconciliation」とは、辞書に「和解」とあるけど、ここでは、先住民と政府との関係を修復していくプロセスのことを意味している。
2008年から2015年にかけて本格的な被害者の調査が行われた。被害者家族への経済的、精神的な支援は始まったばかりだということ。
Reconciliationについて英語で学んでみよう
Canada.ca のサイトは英語動画に文字起こしがついてるので是非、活用してほしい。Reconciliation: What does it mean?
Justin Trudeauのスピーチを見てみよう。これも文字お越し付き英語だよ。
多くのカナディアンが2021年のカナダデーに反対した理由
多くのカナダ人がカナダでーキャンセルを支持した理由は、カナダが多様性を前面に押し出している国だから。
1971年、カナダは世界で初めて「多文化主義政策」(multiculturalism)を導入しました。これは、民族や人種の多様性を尊重し、すべての人が平等に社会参加できるような国づくりを目指すもの。
外務省
カナダ建国のずっと昔からこの土地に住んでいる先住民たちは、カナダデーに意義を唱えてきた歴史がある。そしてこの年、子供たちのさらなる遺体の発見により、その怒りは限界を超え、全国的なカナダデー反対のプロテストが起きた。
この先住民の思いを無視して、2021年のカナダデーを普通に開催するということは、この国のありかたそのものに矛盾していることになる。
関連ニュースを英語で読んで見よう!
Amid calls to cancel Canada Day, historian says opposition to the holiday has a long history
Thousands rally outside Parliament in ‘Cancel Canada Day’ protest
[Canada day 2021 cancelled] [Canada day 2021 protest] で、英語検索してみよう。
日本はカナダの失敗例だと自覚した
98%が同じ民族である日本人の感覚からすると、国の記念日を少数の先住民のためにキャンセルしようというのは違和感があるかもしれない。
現在のカナダをみていると、日本の先住民がたったの1%ほどしか残っていないのは、自然にそうなったからではなく、国が少数民族を意図的に消しさろうとした過去があり、多くの日本人がそれを無視してきたからなのだと自覚した。
君はカナダデーにどう反応する?答えを見つける方法
方法は一つ、学ぶことしかない。
おそらくこのブログを読んだところで、いったい何を言っているのやら、いまいちピンとこないと思う。私はニュース記事を読んで、歴史、政治、文化も学んで、やっと答えにたどりついた。このブログを書いて、多くの人に真実を知ってもらうこと。
レジデンシャルスクールのウィキペディアには、現時点で日本語ページは存在しない。英語ができないことで、日本人が知るべき情報の多くは埋もれてしまっていることがわかる。
日本はグローバル化に依存しているので、無知であることは世界の誰かを傷つけることになる。英語を学ぶべきなのは、その無知を克服するためなのだと最近思うようになった。
カナダのレジデンシャルスクールについて学べる英語動画を紹介
[Canada Residential school] で動画検索してみよう。今回は、私が参考にした動画を紹介する。
Al Jazeera English Canada’s Dark Secret | Featured Documentaries
実際に学校で何が起こったのか、子供たちがどんな虐待を受けたのか。
TEDトーク Canadian Shame: A History of Residential Schools | Ginger Gosnell-Myers | TEDxVancouver
カナダの罪をどう償うか、ドイツナチスの例をあげて解説されている。
Historica Canada Residential Schools in Canada: A Timeline
レジデンシャルスクールの歴史