Reading a book

ワーホリ・海外移住者に超おすすめの英語本『So you want to talk about race』で学べる事

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こんにちは。のまどちゃんです。

英語本読破の企画では、ワーホリや英語学習者のために、自身が読んだ英語本のポイントを解説している。読破した時間も是非参考にしてほしい。

今回の本は、『So you want to talk about race』by Ijeoma Oluo

海外に住む人は、必ず読んでほしい本だけど、日本社会でもすごく役立つ内容だから、とにかくおすすめ。主に社会学や心理学などが学べるよ。

ワーホリ・海外移住者に超おすすめ英語本『So you want to talk about race』で学べる事

この本のテーマは『 Race 』。人種とは何なのか?

日本人だけでなく、西洋の人もよく理解していない、人種差別の概念を深く学ぶ事ができる。

「いや〜…重そうな本だな…。」

でたっ!重い話題からは目を背ける、現実逃避グセ!

でも安心してほしい。この本は、アメリカ人著者 Ijema Oluo さんの自伝的な要素もあり、ワーホリや移民、海外移住者が、とても共感できる内容となっている。

「てことは日本人には関係ない内容か。」

そう思いきや、日本社会の事まで学べてしまうから面白い。

「日本社会で感じる、あの疎外感はいったいなんなのか?」
「いくら努力しがんばっても、底辺から抜け出せないのはなぜ?」
「日本社会で起こる陰気なイジメや中傷、いったい何が原因なの?」

日本社会で起こる矛盾・理不尽・不平等の根本にあるものはいったい何なのか。この本でそのヒントをみつけ、後の人生に役立ててほしい。

日本人だからこそ身に染みる、著者 Ijema Oluo さんの言葉

I started to question, I started to resist, I started to demand. I wanted to know why it was considered a bad thing that I was “opinionated,” I wanted to know what exactly it was about my hair that was “unprofessional,” I want to know what exactly it was about that joke that people found “funny.” And once I started talking, I couldn’t stop.

Ijema Oluo

日本でも、「上司には意見や口出しをするな。」「その髪型は不適切だ、校則違反だ。」など超理不尽なことを言われた経験、あるよね? ゲスなジョークで笑いを取ろうとする奴、周りにいるよね?

黒人女性の Ijema Oluo さんは、アメリカ社会の学校や職場で、理不尽極まりない扱いを受けてきた。その理由は:人と見た目が違うから。名前が違うから。しゃべり方が違うから。

個人の能力とは何ら関係のないことで、ジャッジされまくる国、JAPANと同じ響きを感じない?

こんな理不尽な社会に屈服し続けるのに、我慢の限界がきた彼女はブログを始めた。彼女の勉強と努力は多くの人を勇気づけ、やがてブログは一冊の本となった。

個人的には、彼女と同じ片親で鍵っ子だったということもあり、彼女の言葉が深く身に染みた。母子家庭で育った子供が社会的に不利な立場になるという現実は、日本で経験したからさ。

英語本『So you want to talk about race』で学んだ事を少し紹介

Book and cafe

日本人に使えそうな内容を少し紹介する。この本を読む糸口になればと思う。

1.社会に底辺が必要な理由

学校や職場に、一番成績が悪い人、または窓際に追いやられた人いない?

そして君はこう思う。
「あいつ、いっつも怒られてマジでヤバいなぁ。ただあいつがいてくれるおかげで、自分は一番下にならずに済む。ふぅ〜やれやれ。」

こうして社会階級というものが生まれる。アメリカでは黒人人種が、その底辺ポジションに追いやられている。豪やカナダなどの白人社会(西洋国)も、レベルは違えど同じ構造を持っている。

多人種が底辺にいてくれることで、白人人種は安心して暮らすことができる。自分より下がいるというのは心地が良い。差別やレイシズムの根本にはこの思想がある。

Racism in America exists to exclude people of color from opportunity and progress so that there is more profit for others deemed superior. 

Ijema Oluo

You will get more because they exist to get less.

Ijema Oluo

Even without the invention of race, class would still exist and does exist even in racially homogenous countries. 

Ijema Oluo

社会階級というと、インドのカーストが有名だが、ここ日本にもしっかりと階級が存在する。※この homogenous という概念、記事にしたので参考にしてね。

低所得の母子家庭育ち。私はそんな生まれにも関わらず、自分よりも下の人達を見てホッとしていた。私自身もまた、この階級社会を承認していたうちの一人だった。

「あの人いつも怒鳴られてるな。あの人が辞めれば次は…。どうか辞めないで。」

2.現代の人種差別は無知から起こる

What is important is that the impotent hatred of the virulent racist was built and nurtured by a system that has much more insidiously woven a quieter, yet no less violent, version of our oppressive beliefs into the fabric of our society. The truth is, you don’t even have to “be racist” to be part of the racist system. 

Ijema Oluo

私がオーストラリアでワーホリしていたころ。レストランの面接の返事がきた。オシャレな金融エリアで働けるなんてステキ!と思ったのは束の間、店に着くとすぐキッチンに案内され、時給10$の皿洗い場へ。一応ウエイトレスに応募したのだが…。

皿洗いはすべて日本人、キッチンはすべてネパール人。表のウェイターは全て白人。これが超オシャレなイタリアンレストランの全貌だった。そして当時の法廷最低賃金は17$だった。

レイシズムとは、システムそのものを意味するのだと身を持って学んだ。もちろんこの仕事は断った。

The ultimate goal of racism was the profit and comfort of the white race, specifically, of rich white men. The oppression of color was an easy way to get this wealth and power, and racism was a good way to justify it.

Ijema Oluo

Studies have shown that if you have a “black-sounding” name, you are four times less likely to be called for a job interview. White women still make only 82 cents for every white man’s dollar, black women only earn 65 cents for every white man’s dollar, and Hispanic women earn even less at 58 cents for every white man’s dollar. 

Ijema Oluo

おそらく日本でも、履歴書の写真や性別、変わった苗字を持つ人や、出身地などのバックグラウンドで、面接に落とされることがあるだろう。移民や外国人、身体障害者がこのシステム化された差別に苦しんでいることは言うまでもない。※海外の履歴書に写真はないが、名前で人種がわかってしまう。

3.マイクロアグレッション

Microaggressions are small daily insults and indigites perpetrated against marginalized or oppressed people because of their affiliation with that marginalized or oppressed group, and here we are going to talk about racial microaggressions━insults and indignities perpetrated against people of color. 

Ijema Oluo

Regular exposure to microaggressions causes a person of color to feel isolated and invalidated. The inability to predict where and when a microaggression may occur leads to hypervigilance, which can then lead to anxiety disorders and depression. 

Ijema Oluo

Studies have shown that people subjected to higher levels of microaggressions are more likely to exhibit the mental and physical symptoms of depression. 

Ijema Oluo

私は生涯かけて目がでかいと言われ続けた。うらやましいとホメる人もいれば、ぎょろ目で怖いという人もいる。怖いと言われてもねぇ…。

人の言うくだらない事は、いちいち気にしない性格だけど、生涯かけて何度も繰り返し言われると、気にせざる終えなくなってくる。いちいち怒るほどでもない小さな侮辱でも、その人のアイデンティティを揺るがしかねない。これがマイクロアグレッションだ。「ちょっとからかっただけ。」ちりも積もれば、深い心の傷やトラウマになる。

日本では、少し人と見た目が違う、身体障害者・LGBTQの人など、このマイクロアグレッションに苦しみ続けているのだろう。

「おそらくこの人は、これを何万回も言われてきたんだろうな。」そう思った時は、何気ない一言を控えるという配慮が必要だと学んだ。

海外では、ユダヤ系に対し鼻が高い・黒人の髪をじっと見たりホメたりする。こういった些細なことが、マイクロアグレッションとなり、結果として人種差別となる。

私自身も差別の加害者なのだとうことを、この本はしっかりと学ばせくれた。

ワーホリや留学・海外移住をする人へ

自分の身を守るためにも、無知で無関心なレイシストにならないためにも、是非この本を読んでほしい。海外でも、そして日本でも、彼女のメッセージや知識は必ず役に立つ。

仕事やキャリア・交友関係や恋愛、結婚や子育てとすべてに繋がる教えがあるからね。

『So you want to talk about race』英語を理解するポイント

上の参照内容をある程度、理解できるのであれば大丈夫かと思う。もし本が不安な人は、ためしにブログを読んでみてね。ただし、本の方が順序よく学べるのでおすすめだよ。

自伝英語はやさしい

この本は、Ijema Oluoさんの自伝的な部分もある。自伝はストーリーなので低い英語力でも読みやすい。

彼女の経験に深く感情移入することで英語を理解しやすくなる。不平等や差別を受けたという人は、その人生経験が英語の理解を助けてくれる。

専門用語は必ず、意味でなく概念を調べる

本には、“Microaggression” のように、専門的な用語がたびたび登場する。

その際は、Wikipedia でほぼカバーできるので知識がなくても大丈夫。辞書でよくわからない英単語や熟語などは、英英辞書か英語Wiki で概念を調べよう。

【最後に】のまどちゃん、英語本『So you want to talk about race』読破にかかった時間

23hours, 37minutes.
12days.

(256 page)

※アプリで読んだので明確な時間が残ってます。

とてもためになる内容だったので、ゆっくりじっくりと読んだ。なのでページ数の割には時間がかかった。個人的には、前回のミシェル・オバマ『BECOMING』の次に読んだ5冊目の英語本となる。

独学でコツコツ学んだリーディングスキルで読めたので、大卒や英語試験はなくても大丈夫だよ。

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