オーストラリアワーキングホリデー/タックス基礎知識/税率と仕組み
オーストラリアでワーホリをする人、タックスを正しく理解してくださいね。
なぜなら搾取されたり、デマ情報に惑わされる可能性も大きいから。その後に長期で滞在する人も、確実に役立つ知識です。
ATO(税務署)の公式情報、英語と社会知識を正しく理解できる脳を育てるため、この記事を構成しました。
税金知識は難しくはないですが、基礎知識がない人は、飛ばし読みをすると混乱します。
もし順番に読んでも理解できない場合は、私の説明がダメだと思う。その時は、わから〜んとコメントいただけるとありがたい。あと、リンク先で公式情報の確認を忘れずに。
オーストラリアワーキングホリデー/タックス基礎知識
ワーキングホリデーの税金に関しては、主に、Working holiday makers に記載があります。
ノマドちゃんは、税金の専門科ではないですが、記事は公式情報を元に構成しました。
もしノマドちゃんの説明と、”誰かに聞いた内容”に食い違いがある場合は、ATO公式情報を確認してくださいね。私の解釈が間違っている可能性もあるので。
概要ごとに公式リンクをついけています。
ワーキングホリデー、所得税の基礎知識
オーストラリアで仕事をした際は、所得税(income tax)を支払います。
所得税は1年ごとに締められる。これを income year といいます。
An income year – or year of income – is, in effect, a 12-month period ending on 30 June, or a 12-month period ending on another date where the Commissioner has approved that other date under section 18 of the Act.
Income year
7月1日から翌年の6月30日まで。これがオーストラリア税金の会計年度です。
所得税の金額は、課税所得(taxable income)により計算されます。
課税所得とは、税率を決定するための収入のこと。課税する所得のことです。
稼ぐ額により税率が変わる仕組みのことを、日本語では累進課税と言いますね。
所得税は、給料から控除され、明細(pay slip)で確認することができます。※タックスリターンは、下で説明しますね。
ワーキングホリデー、税務上の立場を理解しよう
税務上の立場を、residency for tax purposes といいます。
どのカテゴリ(立場)に属するかで、適用される税率(tax rates)が変化します。これ重要なので説明します!
- Australian residents
- Foreign residents
Foreign residents の特徴は、tax-free threshold(タックスフリー)の適用がない。
Australian residents の特徴は、タックスフリーが適用されること。
以前は、 この二つのカテゴリがあり、ワーホリは後者に属していたようだ。ただし2017年からは、バックパッカー税(backpacker tax)と言われる新たな制度ができ、WHM専用の税率ができました。
このワーホリ専用のカテゴリは「WHM Foreign residents」といい、市民とは税率が異なります。
ただしある一定の条件を満たすことで「WHM Australian residents」へ、変更することが可能です。
Tax-free threshold
収入の低い人は、タックスフリーになるという仕組みです。
- WHM foreign residents → 最低税率は15%
- WHM Australian residents → 最低税率は0%
つまりワーキングホリデーは、初期設定の状態では、タックスフリーを受けることはできない。だが、Australian residents に変更手続きをすると状況が異なる。軽く頭にいれておいてね。
参考元:
Australian resident for tax purposes
How to claim the tax-free threshold
※「WHM Australian residents」は、日本人WHMに該当する内容です。他国の人と情報をシェアする場合は、以下を参考に。
国別の情報:Taxation of Australian resident WHMs from NDA countries
ワーキングホリデーの税率 (tax rates)
これは「WHM Foreign residents」の税率です。
法が改定されない限り毎年同じ税率だが、リンクで最新年度の情報を確認してね。
ほとんどのWHMは、$45,001以下の収入となり15%の税率です。
以下は、上記の「立場」で説明した「Australian residents」の税率です。
- Tax rates – Australian resident (Australian resident 向け)
Nil は、0 (ゼロ) のこと。
ワーホリでもオーストラリアに長期で住む計画を立てている人は、このカテゴリーに入れる可能背があります。以下で確認してみてください。
所得税を計算する方法
所得税の計算は、Tax table for working holiday makers を見るとわかりやすいです。以下はサンプルです。リンクで最新年度を見てね。
税率が15%の場合は、稼いだ金額に0.15をかけるだけだね。
計算ツールも用意されている。$45,001を超える人は、利用すると便利ですね。
$45,000を越える場合は、ただ0.32をかけるとおかしな計算に。Example 2: を参照しよう。
詳細:Schedule 15 – Tax table for working holiday makers
32.5%の税率が適用されてしまうパターン
雇用主が「TFN declaration」の項目8を、「Working Holiday」ではなく、「foreign resident」で登録してしまうと、$45,001以下でも32.5%の税率で差し引かれます。
If your employer is not registered as a WHM employer, they must withhold tax from your pay using foreign resident tax rates.
Working holiday makers
※「WHM foreign resident」と「foreign resident」は、違うカテゴリであり税率が異なります。少しややこしいですね。
TFN declaration 記入の際は、項目8は必ず Working Holiday にチェック。
ワーキングホリデーのタックスリターン
ワーキングホリデーは、タックスリターンをする必要がある場合と、そうでない場合があります。
※superannuation の返金はタックスとは別です。明日の記事で説明。
基本的に、明細から15%の税率で正しく引かれている場合は、タックスリターンが必要ない。ただし、
- 収入が$45,001の枠を越えた場合。
- なんらかの理由で15%以上差し引かれてしまった場合。
- Australian resident WHM に変更した又はする予定の場合。
- 経費がかかった場合(deductions)。
もし雇用主が間違えて登録し、15%以上引かれてしまった場合、超過分は返金される可能性があります。タックスリターンしよう。
「WHM Australian resident」に変更できるチャンスがある人は、tax-free threshold(タックスフリー)が適応される、つまり全額返金される可能性があります。タックスリターンをしよう。
参考元:Working holiday makers → Lodge a tax return
ワーキングホリデーも、経費を申告できるパターンがあります。
例えば、
- 仕事に必要な特殊な衣服や道具などを実費で購入した
- 仕事中の移動に自分の車を利用した際のガソリン代
- 仕事に必要な特殊なコースやトレーニングを実費で受けた
- 仕事中の旅費や食事代など
レストランの仕事には、ほぼ関係ないと思います。普段の通勤代やお昼代は、ここには入りません。
ファーム・工事現場・オフィス仕事など、特殊な仕事で、何か特殊な出費をした人は、調べてみたほうがいいですよ。もちろん請求書は取っておく必要があります。この経費枠に該当する人は、タックスリターンで申請しよう。
まとめます。
- ワーホリで収入が$45,001以下の人は税率15%が差し引かれ、タックスリターンは必要ない。ただしこれ以外の状況の人は、タックスリターンをする必要がある。
- 「WHM Australian resident」になる条件が整っている人は、タックスフリーになる可能性がある。セカンドで2年住む人も、ここに入れる可能性があるかも。条件を調べてみてください。
もし、細かい説明がほしいことがあれば、コメントをくださいね。以下に、WHタックスに関する公式ページをまとめておきました。次の記事は、やっとsuperannuationの説明を。明細の見方もみようかな。それではまた。
ワーキングホリデー、所得税に関する公式ページ
- Working holiday makers (タックス概要)
- Employers of working holiday makers (雇用主向け概要)
- Schedule 15 – Tax table for working holiday makers (計算方法)
- Taxation of Australian resident WHMs from NDA countries
- Deductions you can claim (経費に関して)
- Your tax residency (カテゴリに関して)
- Australian residency if you’re on a working holiday or visit (カテゴリの変更に関して)